ハーバードの個性学入門 平均思考は捨てなさい

トッド・ローズ著

ハーバードの個性学入門 平均思考は捨てなさい

 

 

 

一つ前に読んだ「集団の思い込みを打ち砕く技術」が面白かったのでこちらも読んでみました。

 

「平均」って平均身長、体重、体力、学力 、年収 etc... 子供の頃から当たり前にあって平均より上かしたかで一喜一憂することはあっても、「平均」というものについて深く考えたこともなければ疑問に思うこともなかった気がします。

 

そもそも平均とはいつ、誰が、どのように生み出して、どのように広まっていったのかという成り立ちから、それによって現代ではどのような弊害があるのかということに触れていて、あまりにも当たり前になりすぎていたから通り過ぎてきたけど、言われてみれば確かにそうかもということばかりでかなり面白かったです。

 

多くの人が平均を目指して生きていて、みんなと同じになってみんなと同じことで秀でようとしているけれど、人の才能にはバラツキがあるし、その才能が発揮されるか否かは環境などによっても変わってくる。それに自分の目指す目的地への道は一つではなくいろんな迂回路が存在しているのにも関わらず、「平均」の存在により個々の特性を捨て、社会の制度に合わせていかなければならない仕組みになってしまっている。

 

本書ではこの平均で成り立っている社会への改善案も提示されていて、実現できたら素晴らしいだろうなと思いつつ、自分も含め周囲の人たちもあまりにも「平均」が刷り込まれすぎていて平均思考を捨てるのはなかなか難しそうだなと。

 

社会は変えられないし、変わらないとしても、これまで一つの物差しで物事を測ろうとしていた自分にとってはとても価値のある本でした。

 

なぜ皆が同じ間違いをおかすのか「集団の思い込み」を打ち砕く技術

トッド・ローズ著

なぜ皆が同じ間違いをおかすのか「集団の思い込み」を打ち砕く技術

 

 

私は子供の頃から変わっているねと言われることが多く、親や先生など周りの大人からもみんなと同じようになれないことを責められることが多くて、それは大人になった今でもそうで、どうしてもみんなが正しいと思っているような生き方は自分には合わなくて我が道を進んでいるけれど、否定されることも多く、周りの声に傷ついたりして、どうして私はみんなと同じように考えて生きていくことができないんだろう?みんなと同じになれたら楽なのにな、と自分を責めることも多かったんです。

みんなと同じを打ち砕くのはもちろんですが、みんなと同じじゃなくてもいいと思いたくて読んだ本でした。

 

同調圧力だとか不満を言うけれどそれに反論せずに黙っていることの弊害や、人間は集団に所属していたいという本能があるとか、どうして間違っていると思っていてもみんなと同じでいることを選んでしまうのか、など読んでいてなるほどなぁと納得する部分が多くて面白かったです。

 

個人的には読み終わったらなんとなく気が楽になったし、集団の性質を知るだけでも無駄に自分を責めなくなるのかなと思います。